6.5[月]
16:15 - 17:55
変化する世界情勢と日ASEAN
~日本とASEANの役割、地域の貿易統合の今後の方向性~
SPEAKERS
経済産業研究所
理事長早稲田大学
名誉教授
浦田 秀次郎
ISEAS - Yusof Ishak Institute
Director & CEO
Choi Shing Kwok
Faculty of Political Science,Thammasat University
Professor
Kitti Prasirtsuk
神奈川大学法学部・法学研究科
教授
大庭 三枝
International Relations at Chulalongkorn University’s faculty of political science
ProfessorInstitute of Security and International Studies
Senior Fellow
Thitinan Pongsudhirak
ISEAS-Yusof Ishak Institute
Senior Fellow
Sharon Seah
ASEAN Secretariat
Director, Political and Security Directorate
Tang Siew Mun
経済産業研究所
コンサルティングフェロー慶応義塾大学経済学部
教授東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)
チーフエコノミスト
木村 福成
九州大学大学院
経済学研究院教授
清水 一史
Economic Research Institute for ASEAN and East Asia (ERIA)
Senior Economist
Dionisius A. Narjoko
Jeffrey Cheah Institute for Southeast Asia, Sunway University
ProfessorInstitute for International Trade, University of Adelaide
Professor
Shandre M. Thangavelu
SUMMARY
本セッションでは、日本とASEAN双方の有識者から米中対立やロシアによるウクライナ侵攻など、変化するグローバル情勢の中で、日本とASEANが世界に向けて共に果たすべき役割について議論した。冒頭挨拶では経済産業研究所(RIETI)浦田理事から地域的な包括的経済連携(RCEP)協定が今後の経済発展に重要であるとともに、メンバー国による履行とメンバー国の拡大などに係る課題が強調された。継続的な議論の必要性も強調され、アップデートの必要性にも言及があった。
また、ASEAN共同体(AEC)がRCEPに深い影響を与えていることが認識されている中、AEC自体の進化も必要であるとし、また、コロナ禍以降のデジタル化による、課題が生まれていること、人材開発、レジリエンス、デジタル化に関しても考慮すべきだと強調した。
さらに、ルールに基づく、安定した地政学的状況がビジネスには必要不可欠であるとの見解が述べられ、ASEANが果たすべき役割も増大しており、豪州、英国、米国の3国による軍事・安全保障上の同盟の枠組みであるAUKUSや日米豪印戦略対話(QUAD)のような多角的なアプローチがASEANにとってもより適切なものになりつつあると認識された。ASEANは一つの選択肢を選ぶのではなく、日々の状況に応じて臨機応変に選択を行っていくことが重要であり、大国に対抗するにはASEANのレジリエンスの向上が重要であるとともに、ASEANの発言力の重要性が高まっており、気候変動やエネルギー問題に対処するには提供者/被提供者の関係ではなく、対等な関係としてのパートナーシップの必要があると言及あった。